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WEB MAG #12 植樹活動とその意義

皆さんは〈全国植樹祭〉という活動をご存知でしょうか?
詳しくは知らないが、ニュースなどで聞いたことがある、という方も多いかもしれません。
〈全国植樹祭〉とは、公益社団法人国土緑化推進機構と都道府県の共催により開催する国土緑化運動の中心的行事。
昭和25年以来、天皇皇后両陛下の御臨席のもと、全国各地から緑化関係者等の参加を得て、両陛下によるお手植えや参加者による記念植樹等を通じて、国民の森林に対する愛情を培うことを目的に毎年開催されています。(林野庁HPから)


今年の開催は岡山県

昭和42年の第18回大会以来、57年ぶり2回目となる第74回大会が岡山市内で開催されます。
開催日:5月26日(日)
式典会場:ジップアリーナ岡山
開催理念:
・「豊富な森林資源の循環利用」を進めるとともに、森林の持つ公益的機能の確保
・県民の緑化意識の醸成、みどりあふれる郷土を未来の子どもたちにつないでいく
・本県の歴史・文化など数多くの魅力を全国に発信
開催テーマ:「晴れの国 光で育つ 緑の心」

院庄林業も協賛企業としてこの活動を支援しています。


お手植え・お手播き樹種

式典の中で天皇皇后両陛下がお手植え・お手播きする樹種は開催地ごとに決定されるようで、岡山にゆかりのある樹種が選定されています。(岡山県ホームページから一部抜粋)


お手植え/天皇陛下

アカマツ

県の木として広く県民に親しまれており、建築材としての利用のほか、備前焼の燃料として利用されている。
第18回大会(昭和42年)で天皇皇后両陛下がお手植えされた樹種。

ヒノキ

県の林業を支える主要樹種で、岡山の気候風土に適しているため、多く植えられている。
建築材などに利用され、生産量は全国トップクラス。
第18回大会で皇后陛下がお手播きされた樹種。

スギ

県の林業を支える主要樹種で、ヒノキの次に多く植えられている。
建築材やCLTの材料として利用されています。


お手植え/皇后陛下

クロガネモチ

岡山の方言で「アクラ」と呼ばれることもある樹種。
岡山市内の道路の名称(あくら通り)にもなっています。 5月から6月頃に淡紫色の小花を咲かせた後、赤い実を付けます。

アテツマンサク

阿哲郡(現・新見市)で発見され、命名された地域固有種。 2月から3月頃に淡黄色で短冊のような花を咲かせます。

キクザクラ

昭和28年に昭和天皇が行幸啓の際、後楽園に植樹された。
池田厚子さん(順宮厚子内親王/昭和天皇の第4皇女子)のお印でもある。 4月下旬に淡紅色の多数の花弁を付ける「菊咲き」をします。

お手播き/両陛下

天皇陛下/ 将来にわたり林業を支える樹木2種を選定。
ヒノキ(少花粉)・スギ(少花粉)
将来にわたり林業を支える樹種として県が普及に取り組んでいる。
※木材の利用期を迎えているスギ・ヒノキ人工林の伐採に併せて、跡地に少花粉苗木による植替えを促進するなど花粉発生源対策に取り組んでいます。

皇后陛下/ 四季折々の景観を形成する花や紅葉の美しい樹木2種を選定。
ヤマザクラ…県内に広く自生する野生種で、県の天然記念物など、地域のシンボルとなっている。
イロハモミジ…県内に広く自生する樹種で、国の名勝の豪渓など、多くの名所がある。

第74回 全国植樹祭 岡山2024について、詳細はコチラ
https://www.pref.okayama.jp/site/syokujusai2024/


第74回全国植樹祭 岡山2024」サテライト会場

岡山県ホームページより一部抜粋)

多くの県民のみなさんに第74回全国植樹祭を身近に感じてもらうことを目的に、式典開催当日、真庭市蒜山にサテライト会場が設置されます。
ジップアリーナで催される式典映像を大型ビジョンで中継するほか、各種体験・販売コーナー等が設けられます​。

木工ワークショップや木製リヤカーゴのマルシェ(木工製品の販売や飲食コーナーの出店)もあるそうです!


植林や森林の現状

日本は国土の約3分の2を森林が占める、世界でも有数の森林大国。
そのうち約4割は、植林によって造られた人工林です。
そもそも植林とは、伐採後の土地に苗木を植え人工林を作ること。
苗木を植えただけでは人工林は育ちません。下刈りや枝打ち、間伐など、人が継続的に手入れすることで人工林は育ち、森林と環境の保全につながります。

植林はもちろん大切なことですが、その植えた苗木を育て、森林をつくっていくことが大切なんですね。


人工林や森林の推移

昭和20年〜30年代には戦後の復興等のため木材需要が急増し、政府は、広葉樹からなる天然林の伐採跡地などを針葉樹中心の人工林に置き換える「拡大造林政策」を実施。当時は、建築用材となるスギやヒノキの経済価値は高く、需要増加とともにその価格は急騰し、人工林(育成林)は飛躍的に増えていきました。

しかしその後、外国産の木材輸入が自由化された昭和39年頃から日本の人工林を取り巻く状況は変わっていきます。価格の高い国産材よりも、安い外国産材の需要が高くなると同時に、家庭用燃料が薪炭から化石燃料へと置き換わっていったのです。
日本の森林資源は、建材としても燃料としても価値を失い、林業は衰退。利用されずに放置された人工林は、必要な間伐などの手入れが行われないために森としての健全性が失われ、荒廃していきます。

ここまでを見ると、日本から森林が少なくなったのではないか、という印象を持つ方も多いかもしれません。しかし実は人工林は減少しておらず、過去50年ほどの状況を見ると、その面積はほぼ横ばいで推移。
一方で、森林に生えている樹木の幹の体積の合計である森林蓄積はどんどん増えていっています。これは、日本の森林資源が使われないまま放置されている、ということです。

森を大切にするためには、「植林」と同じくらい「木を使うこと」が重要です。
現在の日本の人工林は、高齢級(歳をとった木)の森が増えています。森の高齢化が進んでいるのです。
林業の観点で言えば、高齢化して大きくなりすぎた木は、住宅用木材としては太すぎて製材が難しいため、用途が少なく価値が上がりません。また、間伐や枝打ちといった手入れがされない林では、しっかりとした健全な木が育ちにくいというデメリットもあります。
さらに、高齢な木より若い木の方が成長が盛んなため、CO2をより多く吸収します。成熟期の木を伐採し、若い木を植え育てていくことは、地球温暖化防止という側面からも非常に重要なんですね。


様々な森林保全活動

日本の様々な企業でも、森林に関する様々な取り組みが行われています。

住友林業

国内に社有林を所有しており、SGECの森林認証を取得するなど生物多様性の保全等を含め、適正な森林管理を行っています。また、ICTを活用した現場作業、施業計画の立案から地域材のマーケティングまでコンサルティングする「森林アセットマネジメント事業」も展開しています。
北海道、本州、四国、九州の4ヵ所で総面積約4.8万haにも及ぶ広大な社有林は、5年毎に策定する社有林施業計画に基づき、適正な森林管理を実施。
また、社有林経営で培ったノウハウを活かし、全国の自治体や林業事業体や民間企業の林業経営コンサルを行っています。

(住友林業ホームページより一部抜粋)


トヨタ

深刻化する地球環境の問題に対処し、人とクルマと自然が共生する社会を目指して2015年10月に「トヨタ環境チャレンジ2050」を公表。人と自然が共生できる未来へ向けて、様々な取り組みを行っています。
その中の一つが「トヨタの森づくり」。森が抱える課題や背景に向き合い、様々な活動を通して持続的な森づくりに取り組んでいます。
森林の保護活動や多世代への意識改革に向けた環境教育にも力を入れています。

(TOYOTAの森づくりホームページより一部抜粋)


味の素 AGF

緑豊かな森とその恵みである水を守るため、AGFグループでは森づくり活動を行っています。
生産拠点がある地域の河川、鈴鹿川と荒砥川。この水を育む、鈴鹿山麓と赤城山南麓の森の一角を「ブレンディ®の森」と名付け、森を整備することによって、豊かな自然や清らかな水を育む大切さを体験し、次世代へと継承していく活動を推進。社員や地域のお客様に活動に触れてもらうことで、水を育む森づくりの意義を啓発する「サステナブル教育の森」として活用しています。

(味の素AFGのホームページより一部抜粋)


院庄林業の植林活動

院庄林業が目指すのは、健康な森林サイクル。

健全な森や環境を保つためには、前述したように「植林」と「伐採」を両輪で進めていくことが大切です。
成長した木を使い、苗木を植え、森林のサイクルを回す必要があ流ということですね。 植林しなければ次世代に資源を残すことはできません。

院庄林業では、「匠 乾太郎 植林基金」という活動を行い、森林の育成・保全活動を行っています。
これは、植林基金にご協賛いただいている企業の皆様から、院庄林業が手掛ける国産ヒノキの天然無垢材ブランド「匠乾太郎(たくみ かんたろう)」をご購入頂いた時に、未来の森づくりのための植林費用を別途頂き、その資金をもとに院庄林業が植林を行うものです。


2021年からスタートした「匠 乾太郎 植林基金」。
この想いに賛同してくださる皆さまに支えられ、着々と植林を進めています。

基金 38,923,126円
活用金額 30,101,329円

植林本数 35,380本
植林面積 11.7ha

現状についての詳細はコチラ


目標は、植林基金の森を3万haに広げること。
そして、自社製品を作るための木材を全て自社で伐採した木材でまかなうこと。

目指す未来に向けて、院庄林業は〈本気〉で取り組んでいきます。